和歌山県の木~ウバメガシ
「ウバメガシ」という名前は、木の仲間の中でもあまり聞き慣れないかもしれませんが、「備長炭」の原料だと言えば、大抵の人は「ああそうなんだ」と思うはずです。備長炭は、火持ちが良く火力が安定していてムラなく焼けるため、焼き鳥や焼肉の店でも重宝され、うなぎの老舗や料亭などの料理人の世界でも高い評価を得ています。
紀州備長炭は和歌山県で年間約1700トンが生産され、白炭のシェア日本一を誇っており、その原料であるウバメガシは県木に指定されています。そして、古く江戸・元禄時代(1700年代)から受け継がれてきたこの製炭技術は、昭和49年、県の無形民俗文化財に指定されています。
新宮~江戸間の距離は「百八十六里」といいますから約740km。昔、陸路で行くと18日前後かかったものが、海路(新宮港から江戸港)だと黒潮に乗って早いときは6日で江戸に着いたといいます。約3分の1の時間で行けたわけで、あまり知られていないことですが、言ってみれば黒潮は炭、木材など大量輸送を担う「海の高速道路」でもあったのです。
さらに詳しいことに興味のある方はこちらへ~紀州備長炭の歴史
(和歌山県出身~八咫烏)