2019年2月27日 / 最終更新日時 : 2019年2月28日 山根昭郎 スタッフブログ 中井久夫『樹をみつめて』から 「ケヤキ」(その2) 十二年後の三十二歳の秋、多摩川のほとりの団地に所帯を持った。武蔵野台地の南端がハケという河岸段丘を作って、そこに長年月の間に流れ着いた若木や種子の何十という樹種が育って森となっている。その下の川原、つい先ごろまで水田だっ […]
2019年2月26日 / 最終更新日時 : 2019年2月28日 山根昭郎 スタッフブログ 中井久夫『樹をみつめて』から 「ケヤキ」(その1) ケヤキは、早春の芽吹きも、初夏の盛んな勢いも、秋のすがれゆく様も、冬の繊細な枝模様もいい。ケヤキとの出会いは、その芽吹きのふしぎさに触れた十九歳の春に遡る。 大学の分校は宇治にあったので、下宿は山科から六地蔵に向かう道端 […]