ビル風 -風の樹木に対する影響ー (続)

風の通り道 その2:

風は樹木を倒さないまでも、樹木の生育を大きく左右することもあるようです。コミュニティー広場の南側にケヤキが8本並んで植えられていますが、ちょうど1・2号棟の間の通路と向かい合う位置にある2本のうちの1本はその隣のものと比べかなり見劣りします。隣との生存競争で劣勢になっているというよりも、通路から吹き抜ける風「谷間風」のため成長が阻害された結果ではないかと思われます。(写真5)

通常ならば南側の枝は北側よりも発育がいいはずですが、この木は違います。南側、すなわち風上側の枝に全く勢いがないのです。どう見ても風の影響を受けているとしか思えません。また、普段なら葉はまだ緑の時期ですが、先日の台風の強風で葉が傷められたのか、既に一部茶色に変色しています(写真6)。

写真5 ケヤキ 写真6 ケヤキ

風の通り道 その3:

1号棟南東隅の改良工事でツツジの間に新たに植えられた2本のノムラモミジ(赤い葉のモミジ)ですが、これも新芽が出て伸びる間もなく黒くチリチリに縮れて、ついには枯れ落ちるものがありました(写真7)。最初は水枯れが原因かとも思いましたが、今ではこれも風による影響ではないかと思っています。よく見ると、ひどく縮れるのは南側(交番側)に出た枝と木の半ばより上半分のところで、下の方の葉と北側に出た葉はそれほどでもありません。試しにしばらくその場に立って観察していると、やはり時折南からの結構強い風「剥離流」が交番と1号棟の間をすし将の前に向かって吹き抜けていきます。そのたびにモミジの枝葉は激しく揺さぶられます。

一方、すし将玄関の右側のイロハモミジ(3年前に植えられた)を見てみると、こちらは元気よく葉を茂らせており、ほとんど風で枝が揺さぶられることはありません(写真8)。同じ1号棟の東側といっても、植えられている場所が少し違っただけでこれだけの差が出ています。ノムラモミジの下の方の枝の被害が少ないのは、1号棟南側のアラカシの生垣(2mくらいの高さ)がある程度風を防いでくれているからのようです。このアラカシも新芽時には強風で新芽が黒く傷んでしまうことがよくありますが、アラカシそのものは防風林などに使われるくらい丈夫な木であり問題とはならないようです。

ともかく、ビル風、侮れません。

写真7 ノムラモミジ 写真8 イロハモミジ

( Henk Ozmann )


ビル風 -風の樹木に対する影響ー (続)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 緑の八咫烏 より:

    樹木に風がここまで大きく影響しているとは知りませんでした。毎日何となく見ているハイムの木々ですが、管理する立場になると大変なご苦労があることがよくわかりました。日々のご努力に感謝です!

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