それで、ヘラはとうとうゼウスがエコーを送り込んで来た理由を知ってしまい、ヘラはエコーに対して自分からはおしゃべりができないという罰をあたえてしまったのでございます。

そして自分から話しかけられなくなったエコーではございましたが、ある時恋をすることになったのでございます。エコーは美しいナルキッソスという青年に一目惚れをしてしまったのでございます。

ある時ナルキッソスは狩りをしているうちに仲間とはぐれてしましました。そして大声で叫びました。

ナルキッソス      誰かいるかい、近くに
エコー              ここよ

ナルキッソス      来てくれ
エコー              行くわ

すみません、日本語で話すと、意味がわかりませんので英語に直しますと

ナルキッソス      Here
エコー              Here

ナルキッソス      Come
エコー             Come

なのでございます。我ながらなんと簡単な訳でございましょうか。

そしてナルキッソスの呼びかけに姿を現したエコーはナルキッソスに手を差し伸べました。

そして、二人は話しを始めたのですが、エコーは同じ言葉と繰り返すばかりで面白くなく、ナルキッソスは退屈になってエコーの手を振りほどいて去っていったのです。

ナルキッソス      もう君とは会いたくない
エコー              もう君とは会いたくない

エコーは言ってはいけない言葉を恋い焦がれた相手に発してしまい、驚き、落胆し、洞窟に隠れてしまったのでございます。

そうして、一人洞窟で思い悩み、身も心もやつれて、とうとう声だけの存在になり、自分を呼ぶものだけに返事をするようになっていったのでございます。

ギリシャ神話 エコーの巻(その7)につづく

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